内燃機関は、比較的簡単な構造で大きな動力を得ることができることから工場だけでなく身近な自動車にも利用されていますが、内燃させた際に不要な熱エネルギーや振動エネルギーに変換されて放出されることからエネルギー効率が問題視されている機関です。
近年では、不要な熱エネルギーとして放出される排熱利用して電気に変換する発電システムの開発および実用化が進められており、現在では主に地熱発電に使用されていたバイナリー発電システムによる排熱利用が行われています。バイナリー発電システムは、エネルギー需要を海外に依存しきっている日本にとって政府の支援対象とされる最新技術であり、実際に平成29年度の新エネ大賞で「経済産業大臣賞」を受賞している新エネルギーです。一般的な発電システムは、100℃以上で発生する水蒸気を大量に利用してタービンを回して発電を行いますが、バイナリー発電方システムは水蒸気を発生させられない100℃以下の工場排水や下水処理場の廃熱などでも発電ができる排熱利用が最大のメリットです。
バイナリー発電システムは、100℃以上の排熱で発生させる水蒸気ではなく低沸点物質を気化させてタービンを回して電気をつくりだすことが可能であり、排熱が低温時や排熱の供給が不安定時には蓄熱して発電システムまで熱を届けるトランスヒートコンテナシステムの実用化することでより多くの工場や下水処理施設の排熱利用が可能となりつつあります。