蒸気ドレンとは、蒸気が冷えて水に戻った状態のものを指します。蒸気ドレンは輸送管の管底にたまり、高速で流れる蒸気の力で、蒸気の流れる方向に流されていきます。その結果、ドレンの波が高くなり、管の頂点に達します。この波が弁や、管が曲がる部分に衝突すると大きな音と振動を生じ、管のゆるみを生じさせ、漏れを作ることがあります。この現象はウォーターハンマーと呼ばれています。避けるべき現象の一つです。そのためにドレンはなるべく排出しなければいけません。
輸送管の場合、蒸気が高速で流れているため、普通のドレン除去とは異なる方法を取ります。普通のようにドリップ管を管底に取り付けただけでは、高速で流れていくドレンを捕まえることはできません。ドレンがたまるような仕組みを作る必要があります。その一つがドレン溜まりです。
また、ドレンは蒸気流れに引きずられますが、蒸気よりは比重が大きいため、蒸気が方向転換するとき、ドレンは慣性の法則により、それまで進んでいた方向にそのまま進み続けます。その性質を利用して、管が曲がる部分で、ドレンを集めることが重要です。